交通事故での死亡者数は減少傾向

交通事故での死亡者数の推移
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1992年には11,452人であった死亡者数が20年以上を経て約3分の1程度にまで減少しています。(平成27年度交通白書より)

交通事故での死亡者数自体は減っているのですが、死亡者における65歳以上の高齢者の比率は高い割合であります。

死者及び重傷者は高齢者の割合が高い

年齢層別死傷者の状況(構成率)(平成26年中)
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上のグラフからは、死傷者数を年齢層別・被害程度別にみると、高齢者(65歳以上)の構成率は、軽傷者では13.5%であるのに対して、重傷者では34.9%、死者では半数以上の53.3%となっており、被害程度が深刻になるほど高齢者の構成率が高くなっているのが分かります。(警察庁交通局より)

交通事故における死亡者の割合は高い年齢層ほど多くなる傾向がある

年齢層別人口10万人当たり死者及び負傷者数(平成26年中)
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人口10万人当たりの死者及び負傷者数を年齢層別に比較すると、負傷者は15歳以下の子供を除いて、高い年齢層ほど少なくなる傾向にあるのに対して、死者は30歳代が最も少なく、高い年齢層ほど多くなっています。(警察庁交通局より)

運転免許証を返納する人が増加

先ほどのような実態を受け、運転免許の更新時には高齢者専用の講習や検査が行なわれております。

現行の高齢者講習の内容は、

  1. 適性検査:ドライブシミュレーターを利用した動体視力などの測定
  2. 座学:ビデオなどで交通ルールの再確認
  3. 実車教習:指導員から運転技術のチェックを受ける
  4. ディスカッション:実車教習のアドバイスなどを受ける

75歳以上はこれに加えて認知症をチェックする「講習予備検査」を受ける必要があります。

ですが、このような検査や講習は合格の基準が甘く、実施期間も3年に1回しか行われない等の問題点があります。これだけでは万全とは言えないため、運転自体をやめる「運転免許証の自主返納」が、安全対策として進められています。

自主返納する方は近年急激に増加中で、2014年だけで20万人を超え、2015年の返納者は約27万人となっており、そのほとんどが65歳以上の高齢者です。

自主返納に至る方が急に増えた理由について見ていきましょう。

運転免許証を返納した人が増えた理由

自主返納急増の原因は、主に次の3つが主要因であると考えられています。

「自主返納」という呼び方に変わったこと

自主的に運転免許証を返納する制度自体は、1998年から存在しています。ただ、「申請による運転免許の取消し」と言われていたため、交通違反をして取り消されたかのような印象を受けるため普及しませんでした。そこで、近年では「自主返納」という呼ばれ方が浸透しています。

運転免許証に代わる身分証明となる「運転経歴証明書」の発行

「運転経歴証明書」とは、運転免許証に代わる公的な身分証明書で見た目も運転免許証そっくりのものです。運転免許証に代わる身分証明書となるため、今まで身分証明書代わりにしか使っていなかったような高齢ドライバーにとって大変重宝するものです。

2002年の登場当初は有効期限が6ヶ月しかありませんでした。しかし、2012年からは有効期限が無期限となったため、発行数が何倍にもなりました。

「運転経歴証明書」については、運転経歴証明書って何?をご覧ください

自主返納者への、公共交通機関などの優待

運転免許証を自主返納したドライバーに対して、自治体や店舗などが優待措置を行っているところもあります。

例えば、「運転経歴証明書」の無償発行や乗合タクシーや路線バスなどの運賃割引、買い物での値引きなどがあります。各都道府県や市町村によって異なるものや、「運転経歴証明書」を提示するだけで誰もが受けられるものまで様々な特典があります。

車を手放すにはまだまだ「割に合わない」と思うようなメリットのものもたくさんありますが、このようなサービスや試みは今後も拡充傾向にあると言えます。

免許返納によって受けられる特典については、「都道府県別」免許返納によって受けられる特典をご覧ください。

高齢ドライバーの自主返納が望ましい理由

冷静な判断ができるドライバーの方の免許返納は増加傾向にあります。しかし、認知症などを患っていて判断力が衰え始めているドライバーの免許返納はあまり進んでおりません。認知症になってからでは、他人から説得されてもなかなか納得して返納するのは難しいケースが多々あります。

自分で「このまま運転をし続けていても大丈夫かな?」と考えることができる段階で運転免許証を自主返納してしまえるのが望ましいと言えそうです。