全車の「自動ブレーキ」を義務化

前方の危険を自動車の装置が察知して停止する「自動ブレーキ」の搭載義務化に向けて、国土交通省が、国連の作業部会に国際的な性能基準づくりを提唱しました。高齢者の事故対策の切り札になると見ています。

国交省は国際基準が策定された場合、新型車販売の条件にするように法令を改正し、最終的に全車への搭載を義務づけたい意向です。トラックやバスなど大型車両は14年から段階的に義務化を進めています。

自動ブレーキとは

自動ブレーキ機能とは、障害物や人間をセンサーなどで検知して、衝突を回避する機能のことです。メーカーや車種によって異なり、センサーは大きく分けると、「ミリ波レーダー」「ステレオカメラ」「赤外線レーダー」の3種類が使われています。

自動ブレーキは、前方の車や壁などに反応する「対物」と、歩行者に反応する「対人」の2種類に大別され、国連の部会では、両方の安全基準について議論される見通しです。

現在、自動ブレーキは国内外のメーカー各社が独自に開発に乗り出し、搭載・販売されており、国交省によると、2015年に生産された新車の45・4%に搭載されています。

ただ搭載は任意のため、統一的な安全基準はなく、メーカーや車種によって性能に大きな差があります。ブレーキの利き具合など性能面でもばらつきがあるのが現状で、たとえば、全く同じ条件で歩行者に対する停止実験をした場合、人形の前で止まる車と、止まれずに人形をはねてしまうものがあるようです。

自動ブレーキ機能のおかげで、事故が6割減

2016年1月末に、スバルが「アイサイト搭載車の事故件数調査結果について」発表しました。

アイサイトは、2つの「ステレオカメラ」で車前方の空間を認識して、車・自転車・人や物などにぶつかりそうな時に、ブレーキと連動して自動で止まってくれるシステムです。最新型の「アイサイトver.3」では、ステレオカメラのカラー画像化、カメラの望遠・広角化、高解像度化といった基本性能がさらに向上し、より正確に早いタイミングで危険を察知することが出来るようになりました。

2010年度から2014年度に日本国内で販売したスバル車の人身事故件数について、アイサイト搭載車は非搭載車に対し、1万台当たり件数で、全体で約6割減であることが分かりました。内訳は、追突事故で約8割減、歩行者事故では約5割減になります。

自動車保険にも影響が

損害保険各社は2017年から、自動ブレーキ機能などの先進的な安全装置を搭載する「先進安全自動車(ASV)」について、任意保険料を平均で1割程度割り引く方針を固めています。参考:「IOT」が保険業界を激変させる

走行車線維持と駐車技術の規制も

また、国土交通省は今秋にも自動運転での走行車線維持と駐車技術の規制を設けることも決めました。運転手はハンドルを握って運転することを前提とし、15秒以上手を放すと警告が表示され、その後警告音が出るよう義務付けます。駐車時のスピードは時速10キロ以下とし、外からリモコンで操作する場合は車から6メートル以内の場所に限定し、目視確認を求めます。