免許証を返納すると、各自治体で、路線バスやデマンドバスなどを利用する方へ、割引やパスの発行等で助成を行うケースがたくさんあります。

普段は自動車しか乗らないという方にとっては、あまり馴染みのないようなバスもあると思われるため、今一度どのようなバスがあるのか、どういう使い方ができるのかについて整理してみました。

ここでは、主に自治体からの優遇措置が適用されることの多い、「路線バス」、「コミュニティバス」、「デマンドバス」の特徴や違いについて触れます。

路線バス

決まった時刻に決まったルートを運行する形態のバスです。利用者は、時刻表などを参考に、目的の路線が運行しているバス停でバスを待ちます。大都市などで人口密度が高いなど、一定の需要が見込まれる地域や区間でたくさん走っています。

指定されたフリー乗車区間のあるタイプもあり、その区間内では、利用者はバス停以外の場所でもバスの乗車が可能です。フリー乗降制を行っているバスのことを「フリーバス」と呼ぶ事業者もあります。

メリット

  • 到着までの無駄が少ない(迂回の少ない効率的なルートを巡回)
  • 利用者が自宅や目的地のそばで乗車可能な為、バスへのアクセス性が向上する。(フリー乗降制のケース)

デメリット

  • 人口などの密度の低い地域では、需要が少なく路線の規模や本数が少ない
  • バス停以外での乗車時の安全性確保が課題(フリー乗降制のケース)
  • 利用者の多い区間でのフリー乗車は到着の遅延に繋がりやすい

コミュニティバス

地域住民の移動手段を確保するため、民営交通機関がない地域などに、地方自治体が何らかの形で関わって走らせているバスのことです(赤字が出れば税金での補填等)。自治体が関わっているかどうかという点以外では、利用する側にとっては普通の路線バスと同じです。

従来の路線バスによるサービスを補う公共交通サービスとして運行されており、利用者が少ない場合は小型のバスが使用されることが多いです。

メリット

  • 路線バスよりも運賃が安いケースが多い
    (自治体が費用の一部を負担)
  • 路線バスが走る地域に比べて需要の少ない地域をカバー
    (既存のバス路線を補うように運行されている)
  • 低床でバリアフリーに対応したノンステップバスや車椅子用リフト付きバスがある
  • 環境にやさしい車両を使用するケースが多い

デメリット

  • 曜日ごとに時刻が変わったり、運休が多い
  • 特定の曜日のみしか運行していないケースがある
  • 最終便が一般的な路線バスと比べて早い
  • 運行区域に制約がある(市区町村を跨げないなど)

オンデマンドバス(デマンド交通)

利用者が事前に乗りたい場所や時間を予約して、乗り合いによってそれぞれの目的地まで移動する公共交通システムです。

路線バスやコミュニティバスよりも、さらに利用者が少ない地域など、決まった路線を運行するバスでは無駄が多い場合などに、あらかじめ予約をして迎えに来てもらう方式のバスです。決まった停留所がある場合もあり、主にマイクロバスやワンボックスカーが使われています。

予約の仕方

各運営会社によって異なりますが、電話、ファックス、専用端末、インターネットを使ってWEBサイト経由等で一週間前から前日までに予約する必要があります。運行日や時間帯は会社によって異なるため、事前に調べておく必要があります。(特定の曜日にしか運行していない場合等があります)

メリット

  • 過疎地等の需要が極端に少ない地域をカバー
  • 公共交通機関並みの料金
  • 自分の好きな時間に好きな場所で乗車できる(相乗りでない場合)
  • 無人のバス停を通るというムダを省くことができる
  • 環境負荷の軽減

デメリット

  • 予約をしないとバスは来ない
  • 目的地までの所要時間が不安定
    (相乗りする人によっては大きな迂回の必要がある)
  • 予約できない曜日・時間帯がある
  • 停留所が遠い・分かりにくいケースがある

まとめ

運行経路(ルート) 時刻表(ダイヤ)
路線バス 決まっている 決まっている
コミュニティバス 決まっている 決まっている
乗合タクシー 決まっていない場合もある 決まっていない場合もある
デマンド型交通 一部または全部が決まっていない
(利用者の予約に応じて決定)
一部または全部が決まっていない
(利用者の予約に応じて決定)

利用者数の順番でいうと、「路線バス」→「コミュニティバス」→「デマンドバス」の順に利用者が少なくなっていきます。

路線バスでカバーできない範囲をコミュニティバスで、コミュニティバスでカバーできない範囲をデマンドバスで利用者の足をカバーするようなイメージです。

法的に明確に定義されているわけではなく、中にはいろんな性質を兼ね備えているタイプのバスもあります。